おいとま教師の記録

休職中教師の記録

病気の経過2 復調の兆し

 

 前回の続きです。休み始めて2ヶ月くらいになると、だんだんと動けるようになってきた。そこで妻は、私を外の世界に連れ出してくれた。大分の湯布院に温泉旅行に行ったり、北九州に焼肉屋ステーキサンドを食べに連れていってくれた。豊かな自然を見たり、美味しいものを食べることで、幸せを少しずつ感じるようになっていった。

 そんな時、私の体と心が一気に回復する出来事があった。元同僚が久しぶりに私に連絡してきた。内容は、一緒に山に登らないか、というものだった。私はもともと登山をするのが好きで、今回連絡をしてきた元同僚は、私に山登りの楽しさを教えてくれた、言わば師匠のような人だった。

 とはいえ、体力に少し自信がなかった私はどうしようか悩んだが、妻からも行ってきたら?と言ってもらい、登山に行くことに決めた。私の家の近くにある山に登ることになり、その日を迎えた。集合場所に集まり、元同僚の車に乗って目的の山へと向かった。車内では案の定、私の休職についての話になった。私は、それまでにされたことや言われたことなどについて洗いざらい話し、元同僚はそれを黙って聞いてくれていた。

 やがて到着し、山に登り始めた。緩やかな登山道を進み、途中でふと、景色を見てみた。今回登った山は、過去にも登ったことがある山であったが、この日見た景色は、今まで見てきたどんな山の景色よりも綺麗に見えた。踏み締める土の感覚も、山の匂いも、草木の緑も、空の青さも、陽の光も全てに感動することができた。こんな感覚は、初めてだった。この日を境に、体調が一気に回復していくのだった。

 復調していったことにより、私の考えがどのように変わっていったのかは、次回「病気の経過3」に書いていこうと思います。